22.レンタル冒険者編Ⅰ(番外編アルミー視点)

俺の名前はアルミー。職業アイテム士。実家がアイテム屋やってて、なぜか俺は錬金術師の資格を取ってしまった。親父はアイテムの買い付けのみを行うが、俺は自分で作ることができる。それなのに、まだ見ぬ材料を求めて冒険者としてデビューしてしまったのだ。我ながらアホだ。錬金術師の数は少ない。つまりレアだ。あのまま錬金術師の学校に残って研究を続けても良かったのだ。だが、俺はそれに満足することが出来なかった。もっとたくさんの材料に生きたままの状態で触れたくなったのだ。だから、冒険者として登録してパーティを組んだ。俺は普通のパーティを知らないから自分のパーティが変わってるかはわからないが、かなり個性的な面々なのは、わかる。(おんぽこ本編のアルルのパーティよりは、普通)

ロマンティストの剣士ファラット。ほややんとしてるのに、根が男らしい拳闘士のリラ。札付きの悪だった盗賊のレティ。普通の弓使いバルト。この五人のパーティだ。

「なんで、オレだけ普通っていう紹介なの?!」

毎度、普通であることがコンプレックスの弓使いのバルトが叫ぶ。魂の叫びだ。

「だってバルトにはこれといった特徴がないじゃないか」

 俺は、毎度同じことを言って慰める。

「そうだよ。バルトは普通なのが個性なんだから、そのままでいてくれなくちゃ」

 女盗賊のレティが姐さんちっくなしゃべり方をする。

 そうやってじゃれている三人を剣士のファラットと拳闘士のリラが暖かい瞳で見ているのが通常だった。

 今回、題名でもあるレンタル冒険者の制度を使おうとしていたのは、ファラットとリラが結婚して子供が産まれるので、冒険者を休むことになった。主戦力である剣士と拳闘士が抜けたパーティは、ほぼパーティとしての意味を成さなくなっていたが、しばらくすればファラットが復帰するため、当面はレンタル冒険者で済まそうという話になったのだ。いろいろな人と冒険できるのは、正直面白い。特にうちのパーティは固定だからだ。流れの冒険者で毎回不特定のパーティを組む冒険者もいるのだ。固定のパーティを組まない冒険者もいる。そういう人達にとって、レンタル冒険者制度は、願ったり叶ったりだろう。前は、情報を集めてフリーの冒険者を探さなければならなかったが、登録しておけばギルドが勝手に相手を見つけてくれるのだから。

 最初のクエストは結婚祝いと出産祝いも兼ねて、枯れない花を捜しに行こうという話になった。

「どんな人が来るのか楽しみだな」

 俺達は、後に知ることになる。伝説となるほどの偉大な勇者と吟遊詩人と旅することになろうとは。

 ちなみに、本編を読んでる読者さんは知ってるかもしれないが、本人達にはそんな偉大な雰囲気は全くなく、むしろ話しやすい二人だったのだ。全くオーラなし。あの人達が伝説になるとは思えない抜けっぷりだった。伝説とか、英雄は、後から話が盛られるから、そのせいもあるかもしれない。あの方向音痴と音痴は治らないだろう。ただ、やっぱりコンスは誰よりも強かったし、アルルは風をまるで手足みたいに使っていた。吟遊詩人としての知識も信じられないくらい持っていた。

 二人と冒険して光栄なんて思わない。ただ、同じ冒険者として冒険した当たり前のクエストだった。

 俺はそう思ってる。二人はそういう二人だったからだ。そして、それで間違ってない。俺の名前も残る予定だしな。偉大な錬金術師として。なんてな。

 さて、これから、俺達の涙あり(大嘘)の冒険を語ろう。碌でもなくなりそうな予感がしないか?

 実際、碌でもないさ。冒険なんて。だけどさ、錬金術師として錬成するより、百倍楽しいんだぜ!

 

 





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