20.貧乏パーティー

「お金がない……」

はじまりの街の拠点に帰ってきて、最初にコンスが言った言葉がこれだ。拠点の宿屋の一室でまったりしていた空気が一瞬で凍った。

「今~回~、連続~で~二~回~も~遠~征~行った~か~ら~ね~ぇ~」

「本来なら、クエストで稼げるはずだが、うちのパーティーでは無理だからな」

「物知り顔で言ってるけど、ゲイルのせいだからね」

アルルが鋭く突っ込んだ。

「仕方ないから、働いてお金を貯めるしかないね」

コンスは諦めた瞳で皆に言った。ゲイルに何か言うのは無駄だと知っているのだろう。

「火竜討伐のための遠征費かぁ。どかーんと稼げることないかな?」

アルルは少し急いでいるようだ。コンスには、何を焦っているのかわからない。だが、正論を言う。

「はじまりの街でそれは無理かな。王様がいる聖都ならそういう話もあるかもしれないけど」

「あの、ファルクの旦那さん、エルフィンだっけ? がいるところ? 頼れないかな?」

「アルル、そういうことはダメだよ。なんとかならないわけじゃないんだから。それに、聖都までの旅費がもったいない」

「はーい」

「それに、あの人、なんか苦手だし」

「苦手なの? コンスの王子様父を敬愛してたみたいじゃん」

「父は、決してそういうタイプじゃないから、たぶん、憧れで目が曇ってるんだ」

「どゆこと?」

「確かに剣の腕はすごいけど、性格がなんていうか、おっとりしてるというか天然というか……期待されるような人じゃないんだよね」

「そうなの? じゃ、ボクらが魔王を倒すしかないね!」

「火竜の村に行く遠征費もない僕らが言えるようなことじゃないよ」

「それは、確かに」

しょぼーんとするアルルに慌ててコンスが言う。

「目標は大きい方がいいよね!」

「だよね、だよね! さすがコンス!」

「も~、ア~ル~ル~は~調子~が~いい~ん~だ~か~ら~」

「とりあえず、これからバイト三昧だね」

「ボク、別な仕事探さないと。お饅頭屋の女将さんの産休は終了しちゃったからなぁ」

「風~に~ま~つ~わ~る~仕~事が~いい~ん~じゃ~な~い~?」

「何があるかな?」

「自分~で~考~え~て~」

「冷たい」

「わ~か~ら~な~い~わ~よ~。一緒~に~探~し~て~あ~げ~る~か~ら~」

「わ~い!」

こうして、アルルはまたバイト探しの旅に出るのだった。今度はマールと一緒!

 

 

 






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